私たちの将来のために、今やるべきことを。
ペットボトルのリサイクル
猛暑が続いています。
連日の暑さで、熱中症を発症する方が相次いでいるようです。屋内にいても発症するケースもあるため、しっかり水分を補給するように気をつけたいものです。
記録的な酷暑だけに、大手コンビニエンスストアでは、ペットボトル飲料の売上げが前年比で二〜三割増加しているようです。

数年前、経済産業省が、循環型経済システムを構築するための基本的な考え方として、3Rの取組を始めました。
これは、従来のリサイクル対策を拡大して、Reduce(リデュース:廃棄物の発生抑制)、Reuse(リユース:再使用)、Recycle(リサイクル:再資源化)の3つのRを推進するものです。
みなさんも、身近なリサイクルとして、ペットボトルから蓋とラベルを外して燃えないゴミとして分別したあと、ボトル本体を洗ってつぶし、指定の回収ボックスに出す、という作業を日々行なっているのではないでしょうか。

本来の3R政策において、リサイクルは、リデュース・リユースの下位概念です。
まず第一に、リデュースです。製品の購入時に使用後の廃棄物の量を考慮し、環境負荷の低いものを選択することで、ごみそのものを少なくすることから始まります。
第二に、リユース。身の回りの製品を、出来る限り繰り返し利用して、廃棄物となるまでの期間をひきのばすことも重要です。
そして、最後にリサイクルとなり、リデュースとリユースに努めても出てしまった廃棄物を、もう一度資源として再利用していくための試みがこれにあたります。
つまり、循環型経済システムの構築にあたり、ペットボトルを例とするならば、まずはペットボトル製品を買わないことから始めるのが、本質的な意義を持ちます。極力購入を控えていきたいところではありますが、この猛暑ではやはり手がのびてしまうものです。また、コンビニエンスストアや自動販売機においても、飲料の殆どがペットボトル製品であり、それ以外の選択肢が非常に少ないというのが現実です。

そもそも、エコという言葉にごまかされてはいけません。「分別してリサイクルに出している」という思いによって、ペットボトルを大量に購入すること自体に疑問を感じなくなるのでは、本末転倒といえます。
「リサイクルは環境に良い」――ここに、言葉のトリックがあるように思います。リサイクルが行なわれるためには、そこにはリサイクル対象物があるわけで、大量消費されたペットボトルの存在がまずありきとなっている以上、リサイクルをエコであるとはいえない筈です。
リサイクルしたから環境に良いことをした、ということではなく、そもそも論としては、やはり上述したように、リサイクルしなくてはならないようなものを購入しないことこそが、環境負荷を減らすのです。

わが国のペットボトルの回収率は、2005年度で生産量の65.6%となっており、1997年の16.9%から比べて、飛躍的に伸びています。
国民一人一人が意識を高め、また自治体が回収の流れを整備したことにより、これだけの高回収率が実現されました。
しかし、回収するだけではまだリサイクルではなく、その後の再加工がなされてこそ循環型社会といえます。1995年に制定された容器包装リサイクル法により、法律上ではペットボトル再利用のための制度は整備されましたが、再加工の実態はどうなのでしょう。

残念ながら、回収率に関する詳細な数字データまでは公開されているのですが、その後のリサイクルについては、明確な数値は明かされていません。回収されたペットボトルの約40%が繊維として再利用されているというデータがあるかと思えば、90%以上が焼却処分されていて再加工はされていないというデータもあります。
昨年の毎日新聞において、「市町村がリサイクルを目的に集めたペットボトルが、最終的に中国に運ばれ、ぬいぐるみの中身の原料などに利用されている」という記事が出ました。有償でペットボトルを引き取る業者が介在し、買い取っているというのです。
資源の再利用という点では、問題のある話ではありません。しかし、国民の皆様がエコロジーを考えて丁寧に分別し、自治体が税金を使って回収したものが、有価物として取引される現状は、何処かおかしくはないでしょうか。
また、ペットボトルは、一度原料である樹脂の状態に戻してから再加工する必要があり、その過程で、資源とエネルギーを消費するという現実があります。リサイクル効率を今一度きちんと検討し、リサイクルすることが本当に資源の節約につながっているのかどうか、再考する必要もあるでしょう。

「環境にいい」「地球に優しい」という言葉が錦の御旗となり、リサイクルやエコロジーという分野が、触れてはならない聖域となりつつあるような危惧を感じます。
経済産業省の3R政策に基づいて税金が大量に使われている中、自治体と業者は潤っていき、国民は負担を強いられる一方なのです。
まずは、回収したものがその先どうなっているのかということを、きちんと公開していく必要があります。
私たちの日常の活動、そしてまた税金を使って回収された結果としてのリサイクル対象物であるのですから、回収して業者に渡したあとの現状を、明確に国民一人一人が知り得る状況を作ることが大切です。

いずれにしてもこの問題は非常に根が深く、だからこそきちんとした現状把握から入りたいものです。行政がデータを集計して公開できるような体制を整え、本当の3Rを実現できる社会を作っていきたいと考えます。
コメント
この記事へのコメント
すでに読んでいるかもしれませんが、こんな本も出ています。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-ISBN=4166601318
2007/08/21(火) 00:32:15 | URL | honda #TCKBgOYw[ 編集]
>けーいち
紹介ありがとう。
面白そうな本なので、ぜひ読んでみようと思います。
2007/08/21(火) 15:09:31 | URL | 西田ゆずる #-[ 編集]
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